概要
OECD税務長官会議は2025年10月31日に第7回「税の確実性デー」を開催し、国際租税紛争の防止・解決に関する最新成果を発表。世界各国の税務部門、産業界、学界が参加し、統計データを公布、メカニズムについて議論。中国は移転価格関連の相互協議(MAP)事案の処理完了率が世界平均を上回り、事前確認(APA)の処理完了率と租税紛争の防止率も世界トップ10にランクインした。
税の確実性デー
税の確実性デーはBEPS行動計画14の最低基準とG20/OECD税の確実性アジェンダの一部。OECD税務長官会議の重要な年次イベントとして、税の確実性アジェンダの実施効果を評価し、租税紛争の防止・解決の改善に向けた道筋を模索。2025年10月31日にOECD主催で開催され、世界141の管轄地域をカバーする統計データが公布された。
議題
2025年度のイベントでは以下の議題が取り上げられた:
- 2024年のMAPとAPAの最新統計データの公布及び関連アワード授与
- 国間相互協議と事前確認制度の実施状況
- 簡素化措置による税務申告のコンプライアンス負担軽減
- 確実性向上に向けた効果的な措置(ICAPなど)
- 租税徴収管理能力の向上が必要な国の能力構築
コアな洞察
- 大きな進展:OECD、各国税務部門、企業は過去10年間で国間相互協議が大きく進展したと認識。
- 重要業績評価指標(KPIs):MAPとAPAの統計データがKPIとして重要で、課題特定とリソース申請をサポート。
- 協力文化の重視:税の確実性向上のためには、対立的ではなく協力的な姿勢が鍵。
- 多国間相互協議と事前確認制度:FTA MAPフォーラムで障壁取り除き、発展を推進。
- OECDベストプラクティス:各国税務部門がOECDガイドラインを重視し、一部は国内法規定に取り入れている。
- 非移転価格分野におけるAPAの模索:ドイツとシンガポールがAPA手続きを非移転価格分野に適用。
統計データ
- MAP関連:
- 未完了件数:2,980件(増加率7.12%)
- 中国本土の未完了件数:42件(減少)
- 中国本土の処理完了率:45.1%(世界平均上回り)
- APA関連:
- 世界平均処理完了率:18.1%
- 中国本土処理完了率:24.2%(世界7位)
- 中国本土租税紛争の防止率:66.7%(世界5位)
KPMGの所見
各管轄地域の税務機関は紛争の防止・解決の効率向上に取り組んでおり、中国の税務機関はMAP事案の処理完了率が世界平均を上回り、APAの処理完了率と租税紛争の防止率も世界トップ10にランクイン。外資系企業から高い評価を得ており、中国企業もAPA/MAPを通じて国際的な二重課税を排除・回避。今後、より多くの企業がAPA/MAPを通じて税の確実性を確保し、クロスボーダー租税リスクを防止すると期待。