2022年マクロ経済の10大動向に関する展望
中国経済は新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、2020年には唯一プラス成長を達成し、2021年も全体的に回復の基調を維持しました。2021年の中国経済を振り返ると、対外貿易は好調を維持したものの、内需は低調に推移しました。一方、感染防止用の物資、在宅経済、電気機械製品などの輸出による牽引に加えて、一部の新興国における新型コロナウイルス感染症の感染再拡大により中国の代替輸出需要も急増したため、2021年の中国の輸出は急成長が続き、工業生産と製造業投資の着実な回復を後押ししました。しかし、一方で新型コロナウイルス感染症の再流行に対する予防・抑制対策の強化、不動産市場の低迷、サプライチェーンの停滞による「チップ不足」などにより、消費の回復は比較的に緩やかなものとなりました。マクロ政策面では、感染収束後の中国経済の継続的な回復に伴い、中国のマクロ政策も常態化を取戻しつつあり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大中に比べて明らかに引き締めています。また、政府は教育研修、インターネットプラットフォーム、不動産、高エネルギー消費などの分野に対する規制を強化しています。中国の景気回復のペースは、下半期に鈍化しています。2022年に向けて、新型コロナウイルス感染症が収束に向かう中、マクロ政策がより柔軟かつ的確になるにつれて、中国経済の回復が続き、回復の原動力も徐々に外需主導から内需主導へ移行していくと予想されます。中国経済の成長率は、2021年に8.0%増、2022年に5.2%増となる