b 2022年第9号ご挨拶 先日、令和3年度の内閣府の「外交に関する世論調査」結果の中国に関連する部分を見る機会がありました。この調査で「中国に親しみを感じる」と回答した人は、わずかに20%でした。1980年代には70%前後であったのですが、1990年代初めから減少を続けています。アメリカ合衆国に対する同様の調査結果は1980年代70%前後であったものが、令和3年には88%まで高まっています。中国で生活し、仕事をしていると1980年代から現在までの中国の発展は著しく中国の事業環境は改善し、中国人の生活も改善され、彼らの考え方や生活態度も良くなったと感じますし、中国で働く外国人の生活も大きく改善されたと感じています。しかし、日本での世論調査結果は、対中好感度が著しく悪化してます。同じアジアの国である中国、そして日本の隣国である中国の好感度が何故ここまで悪化してしまっているのでしょうか。中国は、この30年間の発展をバネにさらに世界に羽ばたこうとしています。時に強硬な態度をとることもありますが、日本は隣国として中国を見ていく必要があると思います。 中国スピードという言葉が表すように、中国ではスタートアップがどんどん生まれ、ユニコーン化していますし、デジタル技術を積極的に取り入れて成長を加速しています。この背景には、中国ではニューエコシステムが次々とつくられ、イノベーティブなアイデアが実装されという現象があります。中国は、中国共産党による一党独裁の国ですから、ある意味特殊な国と位置付けられます。しかし、資本主義における経済発展では、日本よりも成功している国でもあります。中国に好感を持たなくても良いですが、経済発展に関しては学ぶところも多いのではないでしょうか。日本企業は、(1)組織再編、(2)デジタル化、(3)グローバル・サプライチェーンに係わる3つの大きな課題に直面しています。中国と関わることでいくつものヒントを得ることができると考えます。 なお、私事で恐縮ですが、この9月をもってKPMGを退任することになりました。1993年から約30年間にわたり中国で仕事をし、多くの日本企業の中国事業をご支援して参りました。多くの素晴らしいお客様とともに成長する機会に恵まれたことに感謝します。 KPMG中国GJP中国総代表髙部一郎 1.2022年中国Fintech企業インサイトレポート KPMG中国は、新たなステージと状況におけるフィンテック発展の脈動とトレンドを十分に把握するため、今回も中国インターネット金融協会フィンテック発展研究委員会と共同で、特別調査を実施し、全国のフィンテック企業のCEO、創業者またはフィンテック事業のリーダーに対してアンケート用紙を実施し、フィンテック業界の最前線からの洞察を収集、分析しました。本レポートは、インタビュー企業の基本情報、フィンテック開発トップ10の現状、フィンテック動向トップ10の展望、フィンテック産業の発展に向けた政策提言など、主要な部分から構成されています。 >全文はこちら(中国語) 2.中国コンビニ発展報告書(2022年) 2021年、コンビニエンスストアの市場規模は、世界的に流行前の水準に戻ったと言われています。コンビニ各社は逆風にさらされながら前進しており、さらなる拡大を積極的に目指しています。コンビニ業界の公共サービス機能は政府によって評価・支援されており、業界の一層の発展に有益なものとなっています。コンビニ業界は統合・発展期を迎えており、今後は質の高いサービスと洗練されたオペレーションにより、各社が自らの価値を高め、収益力を向上させることに注力することになるでしょう。中国におけるコンビニの普及率は低く、今後の発展の可能性は大きいです。コンビニ企業は長期戦略のもと、発展の過程で消費者のニーズに寄り添い、商品とサービスを継続的に改善することで、厳しい市場競争を優位に進めていく必要があります。 >全文はこちら(中国語) 3.米中貿易摩擦の文脈におけるサプライチェーンの変革とアップグレード 現在の世界的なCOVID-19の流行と貿易保護の二重の影響の下、ライフサイエンス分野を中心に世界のサプライチェーン構造が変化し、医薬品業界は多くの企業の予想を超える影響を受けています。一部の製薬会社は、サプライチェーン全体のコスト上昇に対処するため、サプライチェーン全体の戦略や業務配置を調整・改善し、コスト上昇分をサプライチェーンのあらゆる部分に分散させたり、貿易摩擦の影響を軽減するために中国内外の特定の製造プロセスの適切な再構築を検討するなど、サプライチェーンのアップグレードを余儀なくされています。したがって、海外の原産国の対応する貿易ルールをいかに把握し、疫病や貿易摩擦による追加コストを転嫁し、サプライチェーン再構築計画を策定し、現場で実行していくかが、製薬企業のサプライチェーン変革の最大の目的になっています。本レポートでは、ライフサイエンス業界をベースに、貿易摩擦がサプライチェーンに与える影響と対策について、リスク管理、オペレーション、税務・財務計画、ESG配慮の側面から解説します。 >全文はこちら(中国語) 4.ESG報告の課題への取組み 企業活動を評価する上で、環境・社会・ガバナンス(ESG)への取組みが重要になりつつあります。現在3つのグローバル機関がESG報告基準を策定中であり、今後ESG報告は企業にとって複雑さを伴う重要課題になるでしょう。本稿では、企業が向き合うべきESG報告の課題への取組みについて解説します。 >全文はこちら(日本語) 5.アジア太平洋地域の新興巨大企業 アジア太平洋地域は、近年スタートアップ企業が増加するなどビジネスの大きな転換期を迎えており、世界経済へ与える影響も日々高まっています。この地域がさらに成長していくためには、テック系スタートアップが各国のデジタル化を促進するなどイノベーションを起こし、新しい産業の仕組みを推し進めていくことが期待されています。そこで本レポートでは、アジア太平洋地域のニューエコノミービジネスの多様性と理解を深めるため、主要12市場において未来のユニコーン企業として出 現する可能性のある未上場で時価総額5億ドル以下の企業に焦点を当て調査を実施しました。主要12市場における経済・投資指標を分析し、有力なスタートアップ企業の創業者や経営陣へのインタビューを行うことで、今後の成長に向けた先進的事例となるビジネスモデルや、市場が絶え間なく変化するビジネス環境において成長を続けるための条件を掘り下げています。アジア太平洋地域の重要な動向や、それぞれの市場における上位10社の新興巨大企業の紹介、付 録として地域全体における新興巨大企業上位100社の紹介も行っています。 >全文はこちら(日本語) <ご参考>COVID-19対応に関する情報提供 こちらのサイトに関連情報を掲載しております。 携手战“疫”(中国語)資料はこちら BusinessContinuityInsights(英語)資料はこちら 新型コロナウイルスがビジネスに与える影響(KPMGジャパン)資料はこちら Wechatでも日々情報発信をしておりますので、是非ご登録頂けると幸いです。 Contactusお問合せ先 GJPChinaMarkets:gjpmarkets.china@kpmg.comTel:+86(21)22122247(日本語)